【森田望奈未のモリモリ眼鏡:Vol.3】 白シャツともみじ色の卵

日本神話を構成する神話の一つ。国を作った神、伊弉諾(イザナギ)と伊弉冉(イザナミ)が最初に作ったとされる国「淡路島」。明石海峡大橋を越えた兵庫県の島に、卵への闘志を燃やす生産者さんがいた。北坂養鶏所の代表、北坂勝さんは淡路島の人口とほぼ同じ数のニワトリ約3万羽を育てている。若くて白シャツが似合う爽やかな見た目の北坂さんの案内で養鶏所を見学させてもらった。私がこの世で一番すきな洋菓子「プリン」の原材料である卵の取材だ。テンションは自然と上がる。張り切って紹介していこう。

当たり前のことを大切に

鶏舎を開けると「クゥルックッ」と可愛い声が鳴り響く。凄まじく長い小屋にニワトリがぎっしり。私はこの楽しい光景を絵に描きたい、と大興奮。餌をひたすらに突き続けるニワトリ達。「トサカがプルプル揺れてて本当に可愛い」と呟く私と、「コレだけいるとちょっと気持ち悪い」と呟く私以外の見学者達。
北坂養鶏所の卵は、純国産鶏の「もみじ」と「さくら」。日本で流通するほとんどの卵は輸入したもので、国内消費量における純国産の割合はわずか4%。「当たり前のことを大切にしたい。いい卵はいい親鳥から。卵は和食に欠かせない食材だからこそ、純国産を味わってほしい」と熱く語る北坂さん。餌は遺伝子組み換えではないコーンを使用し、水は新鮮な地下水を使用し、ひよこの時から大切に育てている。私も学生時代は「当たり前のことに感謝して生きる」をテーマに寄稿したりしていたので、北坂さんの言葉にはかなり惹かれた。「いただきます」という命に感謝して食べる日本の良き文化を体現し、発信している生産者さんだと思う。

発酵したフンが目に沁みる

何より一番感動したのは、養鶏所の環境だ。かなり綺麗で全然臭いがしない。その理由は鶏舎にあった。鶏舎は高床式の2階建て。ニワトリは2階で飼育され、フンは1階に落ちるようになっている。1階はおがくずや特殊な菌が敷き詰められていて、自然に分解される仕組みだ。この発酵・分解によってフンの量が削減される。そして乾燥したものは淡路島の農家が使用する肥料へと還元されている。「発酵したフンが目に沁みるー」と涙を流しながらも、発酵させて肥料になるまでの工程も見せてもらった。できた土は牛糞などと比べて窒素やリン酸、カリウムなどの高い肥料効果があり、特に実のなる果物や野菜に良い。フンまでもが役に立つニワトリ。「消費するばかりの人間より、私より、かなり優秀だぁ…」と思いながら、発酵したフンで涙を流し続けた。取材に行ったらいつも泣いてる気がする。

たまご100%の不思議なスイーツ

北坂養鶏所の直売所で販売している、「たまごまるごとプリン」。たまごの殻を割らずに作った、たまご100%の不思議なスイーツ。専用シロップをかけることでプリンになる濃厚なスイーツだ。さくらたまごを使用した、養鶏所ならではの販売方法だ。直売所の横には平飼い小屋もあり、ニワトリを眺めながら楽しく食べることができる。プリンだと思って食べると想像以上に卵で、卵だと思って食べるとプリン。そんなギリギリの境目で楽しめる味。

北坂養鶏所の卵を使用した料理

【ひょうご五国ワールド 神戸三宮横丁】
・姫路おでん 玉子
・もみじ玉子のニラ玉
・もみじ玉子の出汁巻き
・どろそぼろ玉子焼き

店舗情報 ひょうご五国ワールド

兵庫を代表するブランド「神戸牛」や「明石鯛」、日本海、播磨灘、明石海峡から届く鮮魚、灘五郷を代表とする県内各地の風土を醸す日本酒。ブランド食材からソウルフードまで兵庫の“旨い”を一堂に集めました。昭和レトロ風の店内はたくさんのブースが並ぶ横丁スタイル!屋台気分で盛り上がること間違いなし!150種類以上ある豊富なメニューを食べながら、兵庫県の「食」の多彩さを感じてください!!

森田 望奈未(もりた みなみ)

お酒と珍味をこよなく愛す、芸大卒の変わり者。見た目女子の中身オッサン。眼鏡は毎年買い替える派。

○サケ:黒白波(芋焼酎)/菊之露(泡盛)/酔鯨(日本酒)/もっこす(球磨焼酎)
○アテ:アジのなめろう/とんびの一夜干し/ホヤの塩辛/筋子
○モノ:日本神話/妖怪/神社/生き物/海/日本文化
○コト:イラストレーション/水泳/生き物採集/シュノーケル

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