兵庫県は五国でできている!

兵庫県のなりたちは明治の廃藩置県をきっかけに、
播磨摂津5つの国が1つに統合されたことにはじまる。
県内では「兵庫五国」と呼ばれ、但馬、播磨、摂津、丹波、淡路と食も言葉も風習も少しずつ違う。
そして、それぞれの地域にはそこでしか
食べられないものがたくさんあり、ひとくくりで「兵庫」とはできない海の幸、山の幸にあふれている。
そんな「兵庫五国」の美味を一度に味わえる新店を、
私たちはオープンに向けてただいま準備中!お店をもっと楽しんでもらうために
9、10月号は、2号に渡って兵庫五国の魅力を伝える特集をお届け。
9月は但馬、播磨、摂津のおいしいワケを、おすそわけしていく。

Topic.1

関西で唯一。紅ズワイガニがとれる香住漁港。

関西で唯一。紅ズワイガニがとれる香住漁港。Tajima fishery

兵庫県美方郡香美町但馬漁業協同組合

香住漁港の競り場の敷地内には、漁協直営店「遊魚館」がある。ゆでたてのカニや、新鮮なお刺身などを販売。地元に愛されるお店を目指している。

ブランド紅ズワイガニ 「香住ガニ」。

兵庫県・北部中央にある香住漁港は、但馬地方で最大の漁港だ。底びき網漁、香住ガニ漁、定置網漁などさまざまな漁種があるので、1年を通して豊富で鮮度の高い魚介が水揚げされる。そして、ここ香住漁港でとれる「紅ズワイガニ」は「香住ガニ」と呼ばれるブランドガニだ。漁期は9月から翌年5月までと長い。ちなみに香住では松葉ガニもとれ、期間は月から翌年3月までと少し短い。両方のカニが水揚げされる港は、近畿ではなんと香住漁港だけ。香住ガニの生息域は800~1500mと深いので、エサを入れたかごを海底に沈めるカニかご漁が行われる。香住ガニは養分が豊富な海洋深層水で育つため、身が詰まり甘みが強く、みずみずしいのが特徴。ゆでガニをはじめ、鍋、焼き、カニ刺しなどで楽しめる。なんといっても漁獲量が多いため比較的リーズナブルなのが嬉しい。ぜひ、店舗ではいろいろな食べ方で香住ガニを味わってほしい。

ブランド紅ズワイガニ 「香住ガニ」。の画像1

歴史は古く明治時代には地引き網漁を行っていたという。大正時代に入ると、他の漁港では発動機付きの漁船が導入されて漁法も変わり、漁獲高で大きな差をつけられるようになった。苦労の末に発動機付きの漁船を導入したが、次に問題になったのが、その船を停泊させるための大きな漁港だった。地域、漁協が一体となり国や県に訴えたことで、昭和4年に香住漁港の建設に至った。そして、90年近く経った現在も香住の漁業を支えている。

ブランド紅ズワイガニ 「香住ガニ」。2

生きたまま水揚げするから、鮮度抜群!

紅ズワイガニを生きたまま水揚げすることは、少し前まで難しかった。それができるようになったのは香住の技術力に他ならない。普通は冷却装置のみだが、香住漁港では船内に専用の生け簀をつくり冷却装置で冷やすことで、カニが生きていた海底に近い状態にしている。その上、日帰り漁で鮮度にこだわっている。また、カニかごにはメスを逃せる仕組みを作り、資源保護にも力を入れている。

生きたまま水揚げするから、鮮度抜群!の画像1

香美町は香住漁港の他に柴山漁港もあり、漁業は基幹産業だ。ノドグロなどの底びきもの、定置網ものなど、カニの時期が終わっても活気がある。また、朝一番(6時ごろ)に競りを見学することもできる。特に9月に香住ガニ、11月に松葉ガニがはじまると市場はカニで一気ににぎわう。香住へやってくる旅行者は、朝に旅館の大将と競りに行き見学をして、旅館に戻り朝食を食べるという贅沢な楽しみ方をしているそう!

生きたまま水揚げするから、鮮度抜群!の画像2

Topic.2

四季折々の魚介。明石の「まえもん」。

四季折々の魚介。明石の「まえもん」。Akashiura fishery

兵庫県明石市明石浦漁業協同組合

明石海峡の恵みを受けて育ち、1年を通して水揚げされるすべてが明石の「まえもん」。まだ知られていない魚や食べ方も提供していきたい。

豊富なエサと早い潮に鍛えられたうまさ。

豊富なエサと早い潮に鍛えられたうまさ。の画像

目の前には明石海峡が広がる。明石海峡大橋の先には淡路島が続き、東は大阪湾、西は播磨灘を望むことができる。まさしく海の街だ。複雑な潮流と地形がつくりだす天然の漁場はプランクトンが豊富で、多くの魚介類の産卵場、育成場となっている。ここで育ち、目の前の海でとれた海産物は明石の「まえもん」と呼ばれている。有名なのはもちろんタコ。夏の6~8月が旬で、特に梅雨から7月下旬の育ち盛りの時期は「麦わらだこ」と呼ばれている。

ちょうど麦の収穫時期で、漁師が麦わら帽子をかぶり始めることに由来する。産卵に向けて体力と栄養を蓄えようとしているので、歯ごたえがありながら、柔らかく甘みがあり、かみしめるほどに味が出る。明石のタコは早い潮に流されないように岩にしがみついてふんばるため、足が太く短い。郷土料理で人気なのはうまみが凝縮された干しダコでつくる炊き込みご飯。たこ焼きをはじめ、刺身や酢の物と関西の食文化に根付いた明石のタコは、品質の良さも味わいも日本一だ。

明石の「まえもん」がおいしいワケ。明石浦の競りは活魚が基本。魚をなるべく活かすため、巨大なプールのような生簀で行う。とった魚を生きたまま扱うのは大変だ。漁師は船上で徹底的に魚をていねいに取り扱い、その後活け締めを漁協や仲買いたちで施す。こうした努力によって明石の「まえもん」はよりおいしく届けられるのだ。

明石の「まえもん」がおいしいワケ。1

タコだけじゃない! 全国区の桜鯛、地元の紅葉鯛。春先から初夏にかけて水揚げされる明石鯛は姿形が美しいことから桜鯛と呼ばれ、全国的にはこちらの方が知られている。産卵のため明石海峡にくるので、あっさりとしていて、酢で締めるなどさっぱりとした料理に合う。一方地元では秋の紅葉鯛を珍重する。越冬のために南下する前の鯛で上質な脂を蓄えていて、甘味とうまみが強い。刺身や炙り、湯引きなど調理法を変えることで、脂のうまさの変化を堪能できる。

タコだけじゃない!全国区の桜鯛、地元の紅葉鯛。1

Topic.3

神戸のソース文化を守る、オリバーソース。

神戸のソース文化を守る、オリバーソース。Oliver sauce

兵庫県神戸市オリバーソース株式会社

粉もん文化、ソース業界の両方を盛り上げるのが目標。神戸のソース文化を守り、国内、世界に発信していく。

神戸のソース文化を守る、オリバーソース。の画像1

オリバーソースの歴史。オリバーソースはもともと大阪の醤油屋「なにわ醸造」の次男が独立したことにはじまる。1923年に道満調味料研究所を創業し、神戸在住のイギリス人やインド人にオリバー・エバンス商会のオリバーソースを輸入販売していた。その後商標を取得し、1966年にオリバーソース株式会社に社名変更した。

日本初のとんかつソース。オリバーソースは日本初のとんかつソースを発売した会社でもある。兵庫港が開港し、洋食文化が発展したことをきっかけに、人気メニューのとんかつに合うソース作りを目指したのだ。コーンスターチを使ったとろみがある濃厚なソースは、それまでのソースとは全く違った。その証拠に自社製品に「オリバー」を使ったことはなかったが、この商品は「オリバーとんかつソース」として発売している。現在は震災後にポートアイランドに新工場を移転し、業務用・家庭用ソースを製造・販売している。

どろソースのために、
ウスターソースの製法は変えない。

神戸っ子は必ずそばめしにかけるという、どろソース。これはウスターソースの製造過程で底にたまる香辛料や果実などで一番コアな部分。だから、ウスターソースよりもスパイシーでどろどろしているのだ。ほとんどのソース会社は技術の進歩とウスターソースがたくさん作れることから攪拌(かく拌)製法を採用しているが、オリバーソースはどろソースのために沈殿方法にこだわっている。以前は取れる量が少なかったため、神戸にしか出回らない幻の隠し味だったが、今では家庭用も販売。そばめしだけでなくお好み焼き、焼きそばはもちろん、カレーにかけるのもオススメだ。

ウスターソースの製法は変えない。1

そばめしはいかに香ばしく仕上げるかがポイント!

神戸ではそばめしに炊き込んだ牛すじ肉を入れることが多いが、イカやこんにゃく、もやしなどその時あるものを入れればOK!ごはんは水分を充分にとばし、べたつきやすいソースは隠し味程度に使い、仕上げのどろソースで一気に仕上げる。「神戸ソース学会監修そばめしソース」と「どろソース」のコンビが抜群。兵庫県神戸市オリバーソース株式会社粉もん文化、ソース業界の両方を盛り上げるのが目標。神戸のソース文化を守り、国内、世界に発信していく。

そばめしはいかに香ばしく仕上げるかがポイント。1